英語ノンネイティブとネイティブユーザーによる音声アシスタントとの対話アプローチの違いが新しいイノベーションを生む

ダブリンカレッジ大学の研究者グループが、英語ネイティブユーザーと非ネイティブのユーザーのGoogleアシスタントの使い方の違いを調査した論文を先日発表しました。

この論文の実験は、欧州の大学から募集した英語ネイティブの16人と北京語ネイティブの英語話者16人の計32人に対して行われました。

実験の内容は、スマートフォンとスマートスピーカのGoogleアシスタント両方を使い、それぞれのグループに英語で音楽の再生、アラームの設定、時間の確認、デバイスの音量の制御、天気情報のリクエストなど、12のタスクを行うというもので、実験の結果、ネイティブユーザーグループとノンネイティブユーザーグループでは対話の方法やプロセスに大きな違いがありました。

スマートスピーカを使った発音の違い(方言やノンネイティブによる発音の違い)が、音声がアシスタントの認識率に影響することはこれまでもいくつも発表されていますし(ワシントン・ポストVoicebot.ai)、これは我々一般ユーザーも「そうだろうね」という驚きのない結果だと思います。

論文では、認識率そのものではなく、ノンネイティブユーザーグループが認識率の低さから取る行動や心理を理解することで、音声アシスタントを使う際にネイティブとは違う方法で認識を助ける方法を研究することで、ノンネイティブのUXを向上できるのではないかと示唆しています。

今回の研究では以下の様な両者の違いが報告されています。

  • ネイティブスピーカーは、Googleアシスタントに話しかける際に、発音の明瞭さ、簡潔さ、計画を優先したが、非ネイティブスピーカーは、特定の単語でコマンドが通るという語彙を探る行動をとっていた。
  • 非ネイティブスピーカーはGoogleアシスタントが単語を認識せず言い直すことが多く、起動に苦労していた。
  • 非ネイティブスピーカーは、音声コマンドの文章や単語の途中でもたつく事があり、音声コマンドが完了する前にGoogleアシスタントが勝手にコマンドの終了や介入をすることがあった。一方、ネイティブスピーカーは、Googleアシスタントの返答レスポンスが遅いと感じていた。
  • 非ネイティブスピーカーは、ディスプレイがないスマートスピーカーより、音声認識の内容や状態を確認できるディスプレイがある音声アシスタントが必要と考えている。

研究者の一人は、ネイティブスピーカーは簡潔で短い発話でのUXを好み、非ネイティブスピーカーは、語彙力が足りなかったり、発音を音声アシスタントが認識できないという自分自身の英語力自体に、音声アシスタントを利用するうえでの障壁を感じているとの見解を報告しています。

同じように、方言のなまりがある人や、子どもの発話認識も音声アシスタントが苦手としている分野です。
アイルランドのSoapbox(弊社記事参照)は子どもの声や語彙、喋り方に特化した音声アシスタントを製品化していたりまします。日本語でも同じように、GoogleアシスタントやAlexaは子どもの発話の認識や方言は苦手としており、そこにイノベーションのチャンスはあるかもしれません。

子どもや方言はさておき、ノンネイティブには母国語で話しかけても反応するような仕様にすればいいのでは?と私は考えますが、このようなノンネイティブの音声アシスタントに対する行動の研究により、認識率向上するアプローチが全方位で包括的に進化していくことは素晴らしと思います。

論文:See what I’m saying? Comparing Intelligent Personal Assistant use for Native
and Non-Native Language Speakers

Credit:Voice UI Media 編集部 中矢

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